「いつかは8,000m!」 登山を始めた高校1年生からの、自分自身への合い言葉。アフリカ大陸、南米大陸、ヨーロッパ大陸、北米大陸への遠征を経験し、いよいよアジア大陸・ヒマラヤ8,000m峰に挑戦です。
まずはサマ村に滞在し、高所順応を行います。キャンプ地から、朝日で金色に輝くマナスル峰の山頂が見えました。見上げる首の向きから、とてつもなく高い8,000m峰のスケールを初めて体感しました。山好きが集まった山屋だけの遠征隊、朝食から山の話が絶えません。
サマ村での滞在2日目は、標高4,000m付近まで登って、高所順応を行います。牛や馬が放牧される花畑の中、深呼吸しながらゆっくり登って、体を高所に順応させてゆきます。
高山病になってしまったら大変です。高所順応は、とても大切な作業ですが、草木の香りがいい花畑の中を歩いていると、トレッキングの観光気分になってしまいます。
予定通り標高4,000mを超えたところで、本日の最高到達点とします。高度を確認すると標高4,020m。眼下にキャンプ地のサマ村が見えます。のどかな風景に囲まれているため、ここが富士山頂よりも標高の高い場所であることを忘れてしまいます。
キッチン・シェルパから支給された、お弁当の袋を開けてびっくり。おにぎりです。日本隊の我々に、おにぎりを握ってくれました。これから一緒に生活する、シェルパたちの温かい心遣いを感じます。おにぎりひとつで嬉しくなるように、ヒマラヤでの遠征生活は、山頂を目指す登山以外にも、いろいろなことを教えてくれる素敵な毎日です。
サマ村の人々は、子どもからお年寄りまで、みんな働き者。物資を運ぶ人、家畜を世話する人、
機を織る人。楽しんで働いていることは、言葉を交わさなくても見ているだけで分かります。
ヒマラヤ・世界第8位高峰マナスル峰(8,163m)遠征 vol.4 へ