アラスカ　マーカス・ベーカー峰遠征篇 vol.5【アンバサダー 村山 孝一】

2013年5〜6月、北米大陸最高峰デナリ峰遠征に向けて日本を出国。しかし現地に到着してみると、なんと入山できないことが判明…。これも何かの運命と気持ちを切り替え、6,000m峰登山に対応できる装備もあるので、より冒険度の高いマーカス・ベーカー峰（4,016ｍ）に挑戦することに。

昨夜は、真夜中にBC到着。今後の見通しが立たないと思われていた中、隊長は、明朝に再びC1へ向かうことを決断。気温の低い夜間ですら危険な状態だったと知っているだけに、ハーネスやザイルなどの確認は、仲間同士入念に行います。

気温が高いため、不気味な音を立てて雪崩が頻繁に発生します。ストックで雪面を突くと、深いクレバスが。怖さを感じる一方で、そのピュアな青さがとても美しく感じられます。

今日だけでクレバスに3回滑落した後、C2に到着。重い装備を背負った状態で、不意に真下へ落下する感覚は忘れられません。氷河歩行中、振り返ると標高が高くなっていることを実感。BCに戻るまで、ワンドが残っている事を祈ります

C1到着。日没と同時に気温が低下していきます。雪中にデポした装備を掘り出して、手際よくC1設営しました。