〈※本記事は、2015年4月にフィールドに訪れた際のアーカイブレポートになります〉
「世界最高峰」この言葉は様々なシーンで表現されますが、伝統のある物語を感じさせてくれます。地球上で最も宇宙に近い世界最高峰から見上げた空、見下ろした地平線はどんな光景でしょう。ローツェ峰から眺めた世界最高峰は、どんな山容なのでしょうか。想像が山のように膨らんでゆきます。
ルクラ(2,860m)からゆっくり歩き始め、パグディン(2,652m)、モンジョ(2,835m)、そしてエベレスト街道で最も賑やかなナムチェバザール(3,450m)に到着です。ドゥード・コシ沿いを3日間かけて歩く高所順応トレッキング。のどかな村の様子から、日本の名峰の山頂まで登っている標高ですが高度計で確認しても信じがたい感じです。
ストゥーパ(仏塔)がお出迎え。ストゥーパからタルチョが音もなく、風にたなびいています。タルチョとは、チベット仏教で用いられる五色の祈祷旗のことで、一枚一枚に経文が書かれています。「青は空」「白は風」「赤は火」「緑は水」「黄色は大地」を意味してします。日に焼けてしまっているのでしょうか、鮮やかな五色の旗のはずが全て白旗に・・・。全てのタルチョが風だけを表現しています。
今晩の宿に到着です。軽量装備のんびり隊より先に、我々の登山をサポートしていただいている、心強い重量装備運搬隊はとっくに到着されていたようです。
エベレスト街道を、各キャンプ地に向かって邁進される彼ら(ゾッキョ)のサポートもあっての登山隊です。
ヒマラヤのドキュメンタリー番組で何度も観ていたナムチェバザール。部屋で休んでいる場合ではありません。小さなカメラひとつ持って散策します。宿の玄関前では「ケン・ケン・パッ」で子どもたちが遊んでいます。久しぶりに見る、その懐かしい遊びに見惚れてしまいます。
遠くの広場で子どもたちが遊んでいる姿が見えます。一緒に遊んでもらえるかもと期待しながら行ってみると・・・、
何やらもめごとの真っ最中でした・・・。
おままごと遊びを楽しんでいる女の子チーム、その様子を冷ややかに見ている光景が可笑しいこと。
さらにその横では、忙しそうにお母さんたちが冷たい水で洗濯を・・・。
気軽なひとり散策は、世界的に有名な観光地であるナムチェバザールでの、日常生活の一片を見られます。
マニ車を歩きながら回転させます。その回転させた数だけ、経を唱えたことと同じ功徳があるとのこと。回すことで願いが叶い、煩悩や災害などの厄災を祓うことが出来るそうなので、心を込めてひとつひとつゆっくり回します。
やはり少し疲れていたようで、ベッドに横たわるとひんやりと冷たい布団の気持ちのいいこと。
行動中に飲み残した、ぬるいお茶を飲みながら、窓越しにコンデリ峰(6,187m)を眺めます。
お世話になった友人や知人への絵葉書を書きながら、日が暮れるのを静かに待ちます。