7月中旬、残雪の北アルプスへ。涼風そよぐ唐松岳を歩いて来ました。
唐松岳へは日本有数のスキーリゾート・白馬八方から入山します。ゴンドラとリフトを乗り継ぎ、トレイルヘッドの鎌池湿原に到着。標高1,800mの原野に、ニッコウキスゲの群落が広がります。
今年はニッコウキスゲの当たり年。湿地周辺は木道が整備されており、ファミリーでの散策にもおすすめ。
広い尾根道を登ること1時間。標高2,100mにある絶景スポット・八方池に到着。ハイカーや写真愛好家の多くはこの湖を目指します。あいにく白馬三山は雲に覆われていましたが、それでも息を飲む見事な眺め。しばし見入ってしまいます。
宿泊予定の唐松岳山頂小屋へはゆっくり歩いても4時間ほど。残雪や高山植物を楽しみながら、アルパインの世界を存分に楽しめます。
ハイマツの雄花が色づいていました。あでやかなピンクが、緑の絨毯に彩をそえています。
稜線は雲の中。雨に濡れつつ、無事に唐松岳頂上山荘に到着。受付を済ますと、「すぐにウェアや靴を乾かしましょう」と小屋の方が乾燥室に案内してくれました。この日は小屋でのんびり過ごすことに。
小屋のスタッフの方々。支配人の中川恵市さんは山岳ガイド・スキーガイドも務める北アルプスのスペシャリスト。大学時代に劔岳に魅せられ、以来、その人生を山の安全と自然保護に捧げておられます。清潔でアットホームな山小屋に、温かなお人柄が溢れていました。
翌朝も霧雨。ご来光は拝めそうもありませんが、幻想的な青の世界が広がります。レインウェアを着て周辺を散策することに。
コマクサの群落がありました。その美しく愛くるしい姿は、まさにアルプスのプリンセス。多くの登山者を虜にするのも頷けます。
朝食後、唐松岳に登頂。本来ならば絶景が広がるものの、雲が視界を遮ります。幸い、天候は回復の予報。頭上の雲は薄く、うっすらと青空も感じます。他の登山者とともに晴れ間を待つことに。
待つこと1時間。霧が晴れ、立山が姿を現しました。
霊峰・劔岳。山頂のあちらこちらから「おおっ」「見えた!」と感嘆の声が上がります。
青空が広がりました。唐松岳登頂は少年時代、親に連れられてきて以来約30年ぶりのこと。遠い記憶を辿りつつ、アルプスの雄大な景色をしっかり眼に焼き付けたのでした。
帰りはのんびり景色や高山植物を眺めながら下山します。ミヤマキンバイ。背景は白馬鑓ヶ岳。
(ハクサンシャクナゲ)
(チングルマ)
(タカネナデシコ)
沸き立つ雲を眺めながらの雪溪歩き。ソールのグリップを効かせながらゆっくりとくだります。慣れない方は4本爪の軽アイゼンを携行すると良いでしょう。この後、八方池で長めの休憩を取り、白馬村へと下山しました(下山リフトは16時30分が最終)。今回ご紹介した八方尾根ルートは眺めもよく、登山道もよく整備されており、初アルプス登山や初心者にもオススメのコースです。この夏、出かけてみてはいかがしょうか。
*今春、唐松岳頂上山荘直下の登山道が崩壊し、一部迂回ルートとなっています。最新情報を収集のうえ、通行には十分ご注意ください。
唐松岳頂上山荘(http://karamatsu.jp)
白馬八方尾根ルートガイド(http://www.happo-one.jp/trekking)
今回使ったアイテム
バックパック:SL 35 type2、ダウンジャケット:concordia down jkt、フリース:trail fleece、パンツ:comfy convertible pants、シャツ:delta S/S、ハット:grab hat +d、ジャケット:beaufort 3L jkt (unisex)、パンツ:beaufort 3L pants (unisex)