仕事でもプライベートでも、移動の疲れを残さないのが旅の秘訣。今回はベトナム・ハノイ国際空港にあるユニークなエアポートホテルを紹介します。
インドでの仕事を終え、次の目的地ベトナムに向かうべくニューデリー国際空港へ。近年のアジア諸国同様に真新しい新車が目立つ中、国産車・アンバサダーのタクシーがひと際目を引きました。原型は1956年製の英国車。長年クラシックな姿が親しまれてきましたが、2014年生産中止に。今後、徐々に街から姿を消してゆくのでしょう。
さあベトナムへ。インドの魅力は豊かな国土と宗教、そして人間社会のカオスが生む爆発的なエネルギー。その渦から一気に解放されるので、飛行機の座席に着くといつもホッとします。
5時間のフライトでハノイに到着。著しい発展を遂げるベトナム。空港は朝から多くの人々で賑わっていました。入国審査後、地方都市へと乗り継ぐため、国内線ターミナルへ移動します。ところがここで問題発生。乗継便が欠航となり、夜の便まで14時間を過ごさねばならなくなりました。
インドでの滞在先を出てから24時間が経ち、長旅の疲れに、荷物を抱えてハノイ市街へ出る気も起きません。ひとまずベトナム料理で腹ごしらえ。生春巻きとフォー(ベトナム料理の米粉麺)の優しさが、インドのスパイス料理に疲れた身に染みます。
乗継便のチェックイン開始まで11時間。ふと、以前雑誌で見て印象に残っていた簡易エアポートホテルの記事を思い出し、試しに利用することに。そのホテルはターミナルの3階にありました。
公共スペースの一角に客室ユニット「Sleep Pod」が並んでいます。電源さえ確保できれば、空きスペースを有効活用できる画期的なアイデアです。
料金は1時間135,000ドン(日本円で約650円)、24時間プランなら750,000ドン(約3,600円)。チェックインを済ませると受付スタッフが荷物を運んで案内してくれました。睡眠ユニットが連なる様は、まるでSF映画のワンシーンのようでもあり、旅の非日常感を高めます。
内部は木の温もりを感じるインテリア。4平米の空間にベッド、デスク、電源、目覚まし時計、エアコン、薄型テレビ、Wi-Fi、パジャマとスリッパ、無料の水とスナックなど、宿泊施設に必要な設備と機能を備えています。
ブラインドを開けば、そこは国際空港ターミナル。出発カウンターへ徒歩3分の場所にいながら、タイニーハウスのようなプライベート空間を持てるのはとても便利かつ安心、そして不思議な感覚でした。
仮眠で頭も身体もリフレッシュ。夜8時。無事、次の目的地へ飛び立ちました。SleepPadは、ハノイ国際空港のターミナル1(国内線)とターミナル2(国際線)に設置されています。早朝・深夜の移動や長時間の乗継ぎ時に役立つことでしょう。