自由きままに海外へ飛べたころ、アゼルバイジャン共和国を訪れました。また旅に出る日を思いつつ、シルクロードの果て、異国の情景をお届けします。
アゼルバイジャンは南コーカサスに位置する共和国。北からロシア、ジョージア、アルメニア、南にイランと国境を接し、東はカスピ海に面しています。
首都・バクーは油田の街。帝政ロシア時代から石油の採掘で発展しました。近年はコーカサス地方の国際金融ハブとして機能。高層ビルが建ち並び、F1世界選手権「アゼルバイジャンGP」を開催するなど、「第二のドバイ」「第二のシンガポール」と呼ばれています。
バクー旧市街。ペルシャ湾で油田が開発されるまで、バクーは世界の石油生産の過半数を占めていました。アゼリー人(アゼルバイジャン人)の政治・経済・文化活動の中心として発展するとともに、ロスチャイルド家など欧米諸国から資本家が集まり、街は栄華を極めたのでした。世界遺産でもある、石畳の街並みが、当時の賑わいを今に伝えます。
オイルマネーに潤う首都を離れれば長閑な景色が広がります。シルクロードのオアシス都市、コーカサス山脈奥地、カスピ海沿岸の穀倉地帯、イラン国境の荒野へ。バクーを起点に、北へ南へと駆け抜けました。
コーカサス山脈奥地の村にて。羊の毛を紡ぐ女性。
牧草を積み上げる、力自慢の労働者。
昼下がりの羊飼い。
収穫を終え家路につく、集団農場の女性たち。
欧州とアジアのはざまにあるこの国は、歴史と文化の宝箱。あまり馴染みのない神秘の国だけに眼に映るものすべてが鮮やかに見え、日々シャッターを切り続けたのでした。
いまアゼルバイジャンもコロナ禍のため入国禁止。全土に厳しい都市封鎖が敷かれているのだそう。こうして写真を見返しながら、遠いかの地に思いを巡らせます。出会った人々が、いまも健康に暮らしていることを願わずにはいられません。
これらの写真は、9月放映のテレビ番組『世界の街道をゆく』(テレビ朝日)にて放映されます。異国の旅路と人々の暮らしを映し出す、お子さんにも楽しめる内容です。ぜひご家族でご覧ください。
『世界の街道をゆく』アゼルバイジャン編
2020年9月1日〜9月30日(月曜〜金曜)夜8時54分〜 テレビ朝日にて