冬の週末。香川県を旅してきました。見知らぬ土地へのぶらり旅、果たしてどんな景色に出会うのか。
城下町、丸亀市へ。日本を代表する城郭、丸亀城を訪れました。
城郭の完成は江戸時代初期の慶長7年(1607年)。現存12天守のひとつであり、石垣の名城として知られています。
お城の一角で“お城のおばあちゃん”こと、十河博子さんにお会いしました。十数年間、週に3回お城に通い、訪れる観光客に、自作の絵手紙をプレゼントされています。絵手紙には十河さんの言葉が記され、そのひとつひとつがすっと心に染み入ります。「お好きなものを選んでね。お金はいりません。笑顔と元気をくださいね」。朗らかな笑顔に、こちらが元気をいただきました。
城を彩るさざんかの花。日本のお城には、桜や椿、山茶花など、和の花が似合います。
石積みを眺めながら天守閣への急坂を登ります。美しさと防御機能を追求した四重の石垣は、高さ60m。石には槌や鑿(のみ)の痕が残り、当時の職人の息遣いが聞こえてくるかのよう。
天守から丸亀市街を見渡します。讃岐富士(飯野山)の、おにぎりのような姿に目が止まり、ふと『まんが日本昔ばなし』の山を思い出しました。それもそのはず。『まんが日本昔ばなし』の作画・演出をした池原昭治さんは香川の出身。池原さんは、こどもの頃に親しんだこの山を、昔話に描いたのでしょう。自分にとっても、どこか懐かしい、心のふるさとへ帰った気持ちになりました。
お城を見たあとは、丸亀の名店「なかむら」へ。香川のソウルフード・讃岐うどんで身体を温めます。他県民にとって、本場のうどん屋は、オーダーから店を出るまでエンターテイメント。ローカルの方々の頼み方、動きを横目で見つつ、自分のうどんに辿り着きました。
帰りは瀬戸大橋を渡り、倉敷から帰京。瀬戸の空が、旅の記憶を鮮やかに色付けます。二泊三日のぶらり旅。日本の風土の豊かさをあらためて感じた、冬の香川の旅でした。
今回使ったアイテム
ジャケット:pioneer coat (unisex)、フリース:hybrid fleece