世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅をした裏話を公開。今回、急な雨から電子機器などを守る防水ポケットを備えた旅にぴったりのバッグ<preston day pack>とともにアイスランドを巡った。氷の国と名づけられた北大西洋に浮かぶアイスランドには、北海道と四国をあわせたほどの面積に、約34万人が暮らしている。37号では、雄大な自然と、それと共存するアイスランドの人びとの日常を追いかける。
旅に欠かせない音源探し
アイスランドは、ビョークやアウスゲイルなど魅力的なミュージシャンを多数輩出する国。この国のミュージックカルチャーに触れたくて、レイキャヴィクのLucky Recordsへ向かった。レイキャビクには古くからの名店12Tonarもあって、こちらも数多い品揃えから楽しく探すことができる。
リングロードで大自然を巡る
アイスランドの国道1号線、通称「リングロード」でアイスランド北部を目指す。起伏の激しい道は、次々と豊かな自然の姿を見せてくれる。アイスランドの道にはガードレールがなく、自然の中を突き進む気持ちよさがある。透き通った空気に輝くような夏の日差しが降り注ぐ。くるくると変わる絶景続きの道は、これぞ最高のドライブ。
溶岩と苔の大地をハイキング
レイキャヴィクから北へ1時間ほどでポルガルネスに到着。バイキングがアイスランドに入植しだしたころの定住地として有名な町だ。近くのポルガフィヨルズルは小高い丘になっており、ちょっとしたハイキングができる。黒い溶岩と苔のグラデーションが、壮大で厳かな風景を生み出している。
伝統的な建築様式が残るかわいい教会
ヴァトンススカルズ峠の東にある教会。1834年の完成から、幾度も修復が重ねられ保存されてきた。極寒のアイスランドでは伝統的に、家全体を土と芝で包んでしまう大胆な方法で家を造っていた。その様式がもっとも美しく残るともいわれるのが、この教会だ。芝生が緑に変わるこの時期はとりわけ美しい。
市内の中央広場では人びとが憩う
アークレイリはアイスランド第2の都市で、北部地域の中心地。北極圏に近いアイスランドは冬には氷で閉ざされ、日照時間が極めて少ない極夜もある環境だ。そのなかで、温かな日差しのある季節は貴重。中央の広場では、待望の夏の日差しを全身に受けて、幸せそうに会話を楽しむ人びとが集まっていた。
アイスランドビールで乾杯
思い思いの時間をゆったり過ごす人たちを見ていたら、この日差しの下でビールが飲みたくなってしまった。せっかくなので、地元で人気のレストラン、strikedでアイスランドビールをオーダー。ルーフバルコニーから見える絶景と美味しいビールで、最高の気分に。
大迫力の滝ゴーザフォスへ
「神々の滝」の名にふさわしい名瀑、ゴーザフォスへ。その由来は、1000年にアイスランドがキリスト教を国教と定め改宗した際に、それまで信仰していた北欧古来の神の像を滝の中に投げ入れたという逸話から。道路と同様、ここにも柵は一切ないので、ギリギリまで近寄る人も。このように、アイスランドでは観光地でも大自然をそのままの姿で楽しめるスポットが多い。
泥が沸き立ち湯気があがる地熱地帯
アークレイリを出発しリングロードを1時間ほど走ると、アイスランドの一大地熱地帯のクヴェリルが現れる。日本でいうと地獄谷のような場所で、赤褐色の大地には硫黄の匂いが漂い、あちこちで火傷するほど高温の温泉や水蒸気が湧き出ている。そこかしこで湧き上がる温泉や水蒸気からは、地球の鼓動が感じられる。
アイスランド最古の地熱発電所
再生可能エネルギーの先進国アイスランドには各地に地熱発電所がある。このクラプラ地熱発電所は1975年から稼働している国内最古のものだ。地中から引き上げられた蒸気や熱湯は、発電だけでなくパイプラインで運んで、家や宿泊施設でお風呂やセントラルヒーティングの暖房としても利用されている。
天然温泉で疲れを癒やす
一大地熱地帯の近くにはもちろん温泉がある。ここミーヴァトン・ネイチャーバスは、世界最北の露天風呂。6月から8月末の夏の間は夜0時まで営業している。ミーヴァトン周辺の観光スポットを歩き回って、1日の締めくくりに疲れた身体をほぐせるなんて、最高のゴールだ。
驚きの絶景にある市民プール
アークレイリから西へ1時間半ほどのところにある小さな町、ホフソース。人口わずか200人ほどの町だが、ここには海を見ながら楽しめる絶景の市民プールがある。この日は快晴。空と海とプール、それぞれのブルーがスイマーたちを包み込んでいた。
ホフソースの小さな教会
人口数百人の小さな町、ホフソースにも教会が。おとぎ話に出てきそうな可愛らしい外観に思わずシャッターを押した。国土の大半が溶岩で覆われる火山国アイスランドで人が住めるのは沿岸部の限られた地域で、人口の約7割がレイキャヴィクとアークレイリの2大都市に集まる。ホフソースなど景色のいい町には、夏の間だけサマーハウスに滞在するといった人も多いそう。
旅の終わりはブルーラグーンで
旅の終わり、飛行場を目指す途中で最後に再びスパへ。ここブルーラグーンの露天風呂の広さは世界最大。とにかく広い。お湯は地熱発電所の排湯を使っていて、厳密には温泉ではないけれど、地中のシリカを含んだ白っぽいお湯は肌にもいいと大評判。
- TRANSIT 編集部
ビアイスランドを特集したTRANSIT37号で、取材クルーが向かった地域の一つが島の北西部。アイスランドが誇る地熱地帯や滝など自然が生み出した絶景の数々に圧倒されっぱなしの旅だった。行く先々で交流した人びとからは、自然体で穏やかなアイスランドの暮らしも浮かび上がってきた。人材も資源も限られるからこそ、自然に感謝しながら共存する。そんな素敵な国だった。