世界中を旅するTRANSITが、毎号karrimorのアイテムとともに旅をした裏話を公開。今回、airportpro70とともに向かったのは、古代に地中海世界を統一した超大国の首都、ローマ。およそ2000年前の遺跡が街なかにゴロゴロと転がり、その上に中世、近代、現代の建造物が幾層にも重なり合う。一歩足を踏み入れれば、1000年、2000年前の世界へと容易く思いを馳せることができる。そんなローマの、昔の顔、今の顔に出会いにいく。
およそ2000年前に完成したコロッセオ
イタリア語で「巨大なもの」の意味をもつコロッセオは、その名のとおり高さ約50m、長径188m、短径156cmもある、巨大な石造り建築。紀元80年頃に完成したコロッセオは収容人数5万人ともいわれ、その規模は東京ドームに匹敵するほど。
もうひとつのコロッセオ
1942年開催予定だった万国博覧会のために、ファシスト党がつくった新都エウル。アーチが連なる労働文明宮はエウルのシンボルで、 愛称は“四角いコロッセオ”。通りすがりのおじさんが、イタリア語で身振り手振りを交えてムッソリーニが築いた街だよ、と教えてくれた。
街の歴史もわかるカピトリーニ美術館
1471年に開館したカピトリーニ美術館は、一般公開された美術館としては世界最古。古代ローマの展示品が多く、この像もローマ建国に因んだもので、ローマを創設した双子が狼に拾われた伝説を表している。狼は紀元前につくられ、双子の像は15世紀頃に付け足されたもの。
イタリア人のユーモアとセンスが光る美術館
モンテマルティーニ美術館は前述のカピトリーニ美術館の別館で、公共発電所跡地を利用して建てられたもの。古代の彫像やモザイク画が発電機とともに展示されていて、その組み合わせがなんともシュール。古代と現代が交差した不思議な空間。
ここに上ればローマの全貌が掴める
建物が密集して、道も入り組んだローマ。この街の土地勘を得るのにちょうどいいのがヴィットーリオ・エマヌエーレⅡ世記念堂の屋上展望台。ローマにある7つの丘でも標高が高いカピトリーノの丘にあり、コロッセオ、サン・ピエトロ寺院、遠くはエウル地区まで見渡せる。
世界で一番小さい国、ヴァチカンへ
ヴァチカンには世界中のキリスト教の信者や観光客が集まり、朝から長蛇の列。近くのスーベニアショップには、修道院グッズがずらりと陳列。キリストの右側で手を振るのは現フランシスコ法王。史上初の南米出身の法王で、親しみやすい言動で人気を集める。
隠し通路があるサンタンジェロ城
ローマ皇帝ハドリアヌスの霊廟としてつくられた建物を中世に要塞化したものが、このサンタンジェロ城。ヴァチカンから歩いて15分ほどの距離にあるこちらには、サン・ピエトロ寺院と地下でつながっていて、ローマ法王が避難するための隠し通路がある。
大人が集う夜の街ピニェートへ
もとは労働者階級の住宅街だったピニェート。映画監督パゾリーニはその人間臭い街に惚れ込み、よくここで撮影をしていた。現在は安い家賃に引かれて若いアーティストが住み、アジトのようなクラブがあったり、路地裏にレズビアン御用達カフェがあったりとディープなエリア。
男たちが熱い視線を向ける先は?
年齢関係なくイタリアの男たちを夢中させるのが、やっぱりサッカー。この日はセリエAのローマvsACミランの大事な一戦が行われ、大人たちは街の酒場に集まり、始終スクリーンに釘付けに。その目はまるで少年のよう。ちなみに試合は1-1の引き分けに。
イタリア生まれのベルモットを一杯
ベルモットは白ワインにニガヨモギ、ハーブ、スパイスを加えてつくられる香づけされたワインで、イタリアが主産地。そのままロックで飲むこともできるし、苦味が強いのでカクテルにして飲んだりも。市内にはベルモットメインでお酒を出すバーもある。
ロマーノの胃袋を支える朝市
カンポ・ディ・フィオーリは市内最大の青空市場で、野菜、スパイス日用品が安く手に入る。市場のお兄さんが、目の前で新鮮なチーズを切り分けてくれるところ。イタリア人が愛してやまないチーズやワインも、古代から現代につづくもののひとつ。
コインの枚数で願いが変わるトレヴィの泉
古代から泉があったトレヴィは、中世の大改築を経て、市内最大級の泉に。泉を背にして、右手にコインを持って左肩越しに1枚投げればローマに再び戻ることができ、2枚投げれば大好きな人と一生を共にすることができ、3枚投げれば離縁できるという。
壁一面をアートが覆うテスタッチョ
ピラミデ駅から歩いていけるテスタッチョは、現代美術館があったり、小さなギャラリーも多く、街に自由な空気が流れる。街の落書きには神話の神や古代ローマの彫像をモチーフにしたものも。老舗トラットリアやクラブなどもあって、ローマっ子の遊び場になっている。
いたずら好きなトラステヴェレの食堂
テヴェレ川の西側はローマの下町。ロマーノが足繁く通うトラットリアも多いけど、なかには冗談好きなお店も。パスタをテーブルにこぼそうとしたり、偽もののカプチーノを持ってきたり、そのたびに驚く客を見て店主が大笑い。人間味溢れるトラステヴェレが垣間見える。
古代と変わらぬ景色が広がる水道橋公園
地下鉄A線に乗ってスパウグスタ駅で下車。10分ほど歩けば、このアクエドッティ公園にたどり着く。水道橋がはしる草原では、放牧された羊が草を食み、地元の人が散歩したりと、ローマ市内ということを忘れてしまいそうなほどのんびりとした風景がつづく。
- TRANSIT 編集部
タイムトリップをテーマとしたTRANSIT31号で、旅先のひとつとなったのがローマ。21世紀の街を歩いていても、いまだに古代の気配を感じられる。それは遺構だけでなく、近代以降につくられた街並みやグラフィックアートにも潜んでいたりと、姿形を様々に変えてこの地に生きる。そんな古代の面影を求めて街を歩きつつも、その合間にはローマに暮らす人びとの変わらない営みも見えてくる。人を惹きつけてやまない永遠の都を巡った10日間の旅。
karrimorとローマを旅して
- [ エアポートプロ70 ]
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