karrimor mountain journal vol.19 八島湿原

空気が澄み渡る冬、山の上は満天の星空を見るには最適な季節!…ということで、今回のテーマは「星の撮影」。観察までの事前準備、マイナスにもなる気温のなかで快適に過ごすためのあったかウェアと、ほっこりアクセサリーをレビューします!もちろん星を撮影するためのテクニックもご紹介。

今回撮影で行ったのは八島湿原!

地図fix

場所:長野県諏訪町 八島湿原
住所:長野県諏訪郡下諏訪町八島湿原10618
(八島湿原ビジターセンター)
八ヶ岳のはじっこ、霧ヶ峰の中にある八島湿原をチョイス。山とカメラの先輩が「湿原と山と星、絵になるんだよね〜」とオススメしてくれたから。がっつり登山をしなくても、湿原の周りは歩きやすい舗装された木道がぐるり。1周約90分強のハイキングコースになっています。そして、霧ヶ峰周辺には、丘のような穏やかな山がいくつか集まっている場所なんです。(車山・物見岩・鷲ヶ峰…etc)

ただ、星の撮影だけでは勿体無い。今回はもう2つ目的を追加することに。ひとつめは、ISS(国際宇宙ステーション)を肉眼で見て撮影をすること! ふたつめは、流星群を見ること!(素人には撮影困難なので映り込みを期待!)
早速駐車場に車を停め、木道を歩きながら撮影スポットを探していきます。湿原は完全に凍り、青空と雪原が美しいコントラストを描いていました。

Y_shithugenしかし、日が暮れる前に撮影場所を決めなくてはなりませんが、場所選びに先輩からこんな助言が…。
1)星と山と湿原が美しく見える開けた空間を見つけるべし!
2)山のシルエットと、山の向こうにある街明かりをいかすべし!
3)ISSが通過する方位を確認すべし!
ISSは地球の周りを1周約90分でぐるぐるしています。軌道はweb上でも公開され、日本のどこを通過するのか事前に調べることができます。私は宇宙や星の知識がないため、元プラネタリウム解説員のカリマーアンバサダー村山さんより情報提供をしてもらいました。
この日は山梨県上空を 17:30 (北北西) → 17:32 (北北東 21.6°) → 17:33 (北東 19.3°) のように通過するとのこと。見えるのはほんの3分程度…コンパスを用意し、見逃さぬよう時計も準備!

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そしてもう1つ、撮影の日は3大流星群の1つ、ふたご座流星群が見えるかも!?という日でした。星や流星群が観やすいタイミングとしては、月明かりの影響が少ない、新月がチャンスなのだとか! この日は新月一歩手前。絶好の星撮影&流星群観察日です。撮影日を決めるとき、こういった情報収拾がとっても大切です。

目星をつけた場所でスタンバイ。撮影したのは12月末。昼間でもマイナス5度の寒さ。夜はさらなる冷え込みと、停滞時間も長くなるために装備を整えます。
Y_coordinate_mori雪の中でも安心な〈edale W’s jkt〉、その上から〈rona blanket〉を羽織り、ブランケットは腰に巻いたり、できるので、1枚あると万能なアイテムだったり。〈folded beanie +d〉はカリマーのロングセラーなシンプルなニット帽。シンプルなデザインで、下山後の帰宅もそのままでOK!首元は肌触りの良い〈wool neck warmer〉、〈waffle cuff gaiter〉はタッチパネル対応のグローブと合わせて使うと便利さと暖かさが良かったです。

そして停滞時間の長い星の撮影には、ダウンはマストアイテムだと確信。先輩達が着用していたアイテムもご紹介します!

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保温性に優れた〈featherlite down parka〉。ダウン量は230gと多めです。ファーストタッチが暖かなトリコットのポケットは、極寒の中で冷え固まった手の救済場所に!フードをロールアップして固定できるため、ネックウォーマーのような働きも。ダウンだから密着度もあって、抜群の快適さ!

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山行しやすい軽量とコンパクト重視であれば、〈concordia down jkt〉。超軽量で耐久性のある極薄10Dのシェル素材に最高クラスの1,000フィルパワーのダウン。袖口のシャーリングや裾口のドローコード冷気の侵入を遮断してくれるのでとってもありがたい! 軽量だけど、ポイントの機能はバッチリです!

Y_yuugure夕暮れの湿原もとても美しかったのですが、ここからが本番! オレンジ色に染まる空を楽しみながら星撮影の準備に取り掛かります。完全に日が落ちた頃には、約マイナス15度くらいの極寒状態に。ジャケットの上からさらにダウンを着込み、忍ばせたカイロで手を温めました。ずっと停滞している状態なので、行動時のように温まらないため、いつもより多めの防寒対策がベター。ホントに寒かったです(笑)。
Y_hosiまずは画面いっぱいの星空。でもちょっとインパクトにかけたような…そこで先輩から助言をもらった「山のシルエットと山の向こうにある街明かりをいかすべし!」を実践してみることに。
Y_hoshi_mihon山や街明かりによって立体感が生まれ、大きな山々も小さく見える夜空の広大さが際立ったと思います。日中とは違った山の姿を写し出すことに成功です。薄曇りで星にソフトフィルターがかかったような感じになりました!
そして今回、撮影スタッフ全員でカメラのタイプを変えて撮影をしてみました。少しずつ見え方の違いもあれば、撮影方法が違ったりと、情報交換も面白いもの。とくにフィルムのカメラは現像してからのお楽しみ! ワクワクドキドキが1回のシャッターに込められます。
inada_02【撮影カメラ】フィルムカメラ
【設定】レンズ 20mm F2.8 ISO400
現像して一安心!しっかり撮影できていました。木のシルエットをいかしたレイアウトに、フィルムカメラならではの空気感。そしてうっすら天の川も…!
Y_mori_hoshi【撮影カメラ】感度が高いコンパクトデジタルカメラ
【設定】レンズ 5.1mm F1.8 ISO 80 / シャッタースピード15秒
ISSの撮影は失敗…写り込んだのは飛行機の明かりでした! ISO80は低すぎたため写真はほとんど真っ黒に潰れてしまいました。ただ、データ上で少し補正をすると無数の星が現れることも。加工前提の場合、解像度低くなってしまうため撮影はRAWデータがオススメ。
ISS【撮影カメラ】高性能一眼レフ
【設定】レンズ 25mm F2.0 ISO3200 / シャッタースピード5〜30秒(明るさに合わせて調整)
唯一ISSの撮影に成功!遥か彼方の宇宙が身近に感じた瞬間…!すぐに雲の中へ消えていったので貴重な一枚に。(先ほどレイアウトの実践で撮影した写真はこの設定で撮影しています。)

mj_end星の撮影に天候の判断は必要不可欠。実はこの日も晴れ予報が日没とともに曇りに…。でも、タイムリミットギリギリまでねばっていたら、すーっと雲が抜け、どんどん輝いてゆく夜空にうっとり。撮影はできませんでしたが、目的とした流星群もたくさん見ることができました。
キリリと空気が澄んだ冬、星の観察に出かけてみませんか?もちろん冬山登山をする方はプラスで三脚を持っていけばOK。いつも見上げていた星空を撮影してみるのも楽しいもの。まずは防寒対策のウェアやアクセサリの確認から。寒さ対策バッチリでのぞんでくださいね!


aikomori_P2

はらぺこガール

性別:♀
好きな山行スタイル:のんびり低山ハイキング
趣味:料理をすること(山菜の季節は食卓が草むら。ベランダ農園チャレンジ中!)/絵を描くこと(色彩が暴れてる絵を描く)/写真を撮ること(人がゲラゲラ笑ってると写欲がわく!)/体を動かすこと(元ソフトボール部。球技はなんでもかかってこい!)
一言:美味しいって幸せ!

 

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