外岩でのクライミングにちょうどいい季節。カリマースタッフはこれからの冬山シーズンに備え、マルチピッチクライミングで〈ultimate〉シリーズのアイテムをテスト。アイスクライミングや冬期アルパインをターゲットにしたアイテムですが、今回はいわゆるロッククライミングでの可能性を探りました。 (取材日 11/6)。
photo / hiroyuki matsuuchi(climbing),
kosuke kobayashi(products)
text / kosuke kobayashi
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訪れたのは、三ツ峠。駐車場から30分ほど歩き、ふたたび下った岩場がクライミングスポットになっています。登るルートは三ツ峠を代表する4ピッチのメジャールートです。
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まずは1ピッチ目。朝日が差し込んでいましたが、肌寒さも残ります。風がほとんどなく、暑くなりそうだったため、〈cozy PG hoodie〉をメインにセレクト。ダイナミックな足上げのあるムーブもストレッチ性に優れる〈quest softshell pants〉で対応可能。
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フェイスを超えるとクラックも楽しめます。今回のクライミングでは、テストを兼ねて〈ultimate 35〉を使用。雨蓋部分は可動しクリアランスを作れるため、頭を上げても問題なし。
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早速2ピッチ目へ。晩秋ならではのコンディション。風が少し吹くと寒さを感じますが、〈cozy PG hoodie〉のポテンシャルを実感しました。
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〈ultimate〉シリーズはよりハードなシーンでのクライミングをターゲットに開発されました。テクニカルなムーブも想定したウェアデザインを行っており、外岩でのクライミングでも可能性を実感できました。
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三ツ峠のクライミングスポットは富士山をバックに登ることのできるルートとして知られています。振り返れば富士山がそびえています。
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そして、3ピッチ目はクラック。岩に体やリュックサックを擦り付けるシチュエーションもありますが、そんなタフな状況も想定内。体を岩から守る耐久性も備えているのが〈ultimate〉シリーズの特徴です。
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ビレイ時は体温が低下しやすいシーン。〈cozy PG hoodie〉は首元までしっかりとカバーできるため、ある程度の保温性を備えつつ、行動時の発汗性や通気性も確保しているのが魅力。
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最終ピッチとなる4ピッチ目へ。
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〈ultimate 35〉はショルダーハーネスとヒップベルトにギアラックを配置。クイックドローや回収したカムを一時的にかけるのに役立ちます。
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今回のルートの核心ともいえるピッチ。上っていくにつれ、高度感も増していきます。リュックサックを背負っていても動きやすく、クライミング自体への影響もほぼなし。
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4ピッチと短いルートではありますが、フェイスあり、クラックあり、ハングありと、バリエーション豊か。
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終了点では少し風があり、防寒着として携行していた〈epic insulation parka〉を着用。
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最後は懸垂下降。これからの冬期アルパインやアイスクライミングを想定し、防寒着を携行した今回のテストクライミング。35リットルのリュックサックを背負ってのクライミングに加え、ムーブのしやすさや岩とのスレなどの耐久性などもしっかりテストできました。〈ultimete〉シリーズは今回のような外岩でのクライミングでも活躍してくれる汎用性を備えたラインナップ。冬山に行く人も行かない人も、ぜひともチェックしてみてくださいね。
最後に、今回のギアをご紹介。基本的に、今シーズンから登場した〈ultimate〉レーベルからアイテムをピックアップしました。〈ultimate〉レーベルの2019awのテーマはアイスクライミングや厳冬期のアルパインクライミングをターゲットにしていますが、晩秋から初冬までのフリークライミングでも活躍してくれる機能を備えています。
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幕営を伴わないマルチピッチクライミングでのスタイリングがこちら。リュックサックは〈ultimate 35〉にウェア類のほか、行動食や水などを収納。
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ウィメンズも同じスタイリングが可能。UltimateシリーズはXSからXLまでサイズ展開をしているので、女性の方も問題なく着用いただけます。
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▲ epic insulation parka
防寒着には〈epic insulation parka〉をセレクト。〈PRIMALOFT Gold insulation active〉を採用し、軽量性と保温性を両立しています。ファブリックにストレッチ性のある〈PERTEX shield〉を使用することでクライミング時のムーブも妨げません。
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▲ビレイ時にハーネスに干渉しないよう、ダブルジップタイプとなっています。
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▲チェストポケットがそのままスタッフバッグになり、カラビナなどで携行可能。
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▲vinson insulation jkt
よりコンパクトなインシュレーションジャケット。伸縮性に優れる〈PERTEX quantum〉をメインファブリックに、袖口に〈POLARTEC Power Stretch Pro〉を配置するなど、行動中に積極的に着用できる防寒着です。
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▲〈POLARTEC Power Stretch Pro〉は高い伸縮性を持ち、良好な着用感を実現。
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▲立体裁断と3Dパターンにより、ダイナミックなムーブにも追従するストレッチ性を確保。
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▲ quest softshell vest
体幹を保温したいシチュエーションには、〈quest softshell vest〉を。透湿性と耐候性を両立することで、アクティブなシーンでもオーバーヒートを防ぎます。中間のメンブレンが風を99%ブロックする一方、汗や発熱による蒸気を放出させることで快適性を確保。
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▲登攀時に使用しやすいチェストポケット。リュックサックのハーネスにも干渉しません。
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▲ボディサイドには〈Double Woven Stretch DWR〉を採用。動きをサポートします。
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▲cozy PG hoodie
保温性と機動性に優れるミドルレイヤー。〈POLARTEC Power Grid〉をメインファブリックに採用。インシュレーションジャケットなど、防寒着やシェルジャケットを着用しても動きやすく、着心地がよいのが魅力です。
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▲袖口と裾には〈POLARTEC Power Grid Mini〉を配置。着用感に優れます。
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▲ジッパーはセンターを外しており、パーツが顔に当たらない仕様となっています。
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▲ ultimate 35
〈ultimate 35〉はテクニカルなアルパインクライミングをターゲットに開発されたモデル。バックシステムは取り外し可能な〈Fformat〉を内蔵し、着用感と軽量性を確保。シンプルながら、アックスホルダーやモールドタイプの背面パッドなど拡張性の高い機能を盛り込んでいます。
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▲ショルダーハーネスのギアラック。カラビナをかけやすい角度を追求し、ギアの回収時などに活躍。
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▲ヒップベルトにも配置。いずれも強度を検証しており、メインラックとして使用可能です。