ロングドライブボルダーツアー 〜九州の最果て、岸良ボルダーの紹介〜【アンバサダー 稲田千秋】

北米大陸では、車で何千キロものドライブをして旅行を楽しむ方が多いです。日本も小さな島国ではありますが、南北に長いため、目まぐるしく景観が変わるロングドライブはまるで異国旅行のような浪漫があります。今回は、年末のロングドライブ&南の果てでのボルダリングについてご紹介します。

今回私たちは、東京から鹿児島の大隈半島の先っぽまでのドライブを計画しました。行きは陸路のみで1435km!最終目的地は「岸良(きしら)ボルダー」という一大ボルダリングスポットです。

道中は、道の駅やSAなどで観光や仮眠をしながら進みます。知らない土地で美味しいものを食べながら、ドライブを満喫しました。

岸良ボルダーに到着!インターネット上で、綺麗なオールカラーの電子トポをダウンロード購入できます。トポの通りアプローチして、迷うことなく辿り着くことができました。

初日は岩見学です。トポと照らし合わせなながらエリア全体を回ります。これ、落ちたらどうなるの・・?

今回私たちは、2人で3枚のマットを持っていきました。ものすごいハイボルダー(危険度マックス、一般人にはトライ不可(笑))は、そもそもトライしないとしても、岩はどれも大きめで、かつ下地の悪い課題が結構あります。マットは多めに持っていったほうがより楽しめると思います。

青い海と真っ白な花崗岩!まさに岩天国、リゾートクライミングです!

ボルダラーよりも釣り人が多い印象。マナーは守って楽しく遊びます。

岸良海岸から一番近い繁華街である鹿屋市街までは、車でおよそ1時間ほど。雨の日はまたドライブして観光です!

宿泊先は、「ふれあいの森キャンプ場」という無料のキャンプ場で、事前に役所に連絡すると利用できます。岩場から30km、車で約40分ほど。広いし、炊事場も綺麗だし、真っ平で快適!猫もたくさんいます。ここと岩場との間にコンビニもありました。

課題は総数144!しかもさまざまなタイプの課題があります。垂壁、スラブ、薄かぶり、どっかぶり、ルーフ、クラック、マントル課題やランジ課題など、とにかく豊富。グレード感は少し大雑把な気がします。

こんなワイドクラックも!「イルカの初夢」(V5/1級)です。中間に広がっているところが一番難しい「核心」部です。

私は膝スタックやリービテーションも使って奮闘しました。面白かったです!

連日夕暮れまでたっぷり遊んで帰ります。あー、お腹すいた!身体がたんぱく質を欲しています。

キャンプ場での自炊がメインでしたが、たまには街で名物の地鶏をいただいたりして観光も満喫できました。

クリスマスイブには、人気のケーキ屋さんに並んでクリスマスケーキをゲット!猫ちゃんと一緒にクリスマスパーティしました。明日も本気トライだけど、今日は飲んじゃうぞ!

これは、このツアーで一番打ち込んだ課題の「鬼滅」(V6/初段)です。

私は手汗がかなり出る方なので、暑い日が苦手。岸良ボルダーの最適時期は12月から2月といわれていますが、このツアー中は暑い日が多かったです。この課題はホールドがかなりシビアで、湿度が低い日の太陽が陰るタイミングでないとうまくいきいません。結局このツアー中に完登は叶いませんでした。花崗岩らしい、とっても面白い課題でした!

鹿屋には、現在も海上自衛隊の航空基地がありますが、戦時中には3つの飛行場があり、日本で最も多くの特攻隊が出撃した歴史があります。レスト日には、鹿屋航空基地資料館に行き、そうした歴史にも触れました。

さて、楽しかったツアーももう最終日です。行きは全て陸路でしたが、帰りはフェリーを使います。大分の佐賀関港から四国の佐田岬半島を結ぶ、九四フェリーにいざ乗船!こんなオプションもロングドライブの楽しみのひとつ。

明石海峡大橋を渡って、神戸で1泊観光してから帰京しました。たまにはこんなロングドライブ旅もいかがですか?

稲田 千秋

稲田 千秋(いなだ・ちあき)形成外科医、クライマー。学生時代から登山、クライミングに熱中し、季節やジャンルを問わず様々なスタイルでフィールドアクティビティに興じる。現在はフリーランスで世界中を旅しながらクライミングを楽しむ傍ら、国際認定山岳医として、日本の山岳医療発展のため活動する。2016年 Yosemite国立公園 El Capitan "The Nose"完登。2019年 ペルーアンデス Alpamayo "French Direct"登攀など。

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