飛騨山脈、後立山連峰のひとつとして知られる爺ヶ岳(2670m)。日本三百名山、新日本百名山にも名を連ね、夏山シーズンをメインに登山客の絶えない山です。今回の『+karrimor』は、アウトドアライターとして雑誌やイベントなど幅広く活躍する山畑理絵さんをフィーチャー。カリマーのフラッグシップである〈jaguar〉のウィメンズモデル〈jaguar grace 55+10〉を相棒に、北アルプスでのテント泊山行の様子をレポートします。
取材日は7月8〜9日。梅雨真っ只中、天気予報とにらめっこして見つけた雨予報の合間に山行日を設定。「扇沢」のポストに登山届を出して山行スタート! ちなみに扇沢は、アルペンルート黒部ダム行きのトロリーバスの発着駅。日本三大雪渓のひとつでもある「針ノ木雪渓」などの登山の起点としてのみならず、夏季には観光客が集まる人気スポットです。
新緑が気持ちよいトレイルは「柏原新道」というルート。1970年代に種池山荘を運営していた柏原正泰氏が拓いた登山道です。ひとつめのチェックポイント、種池山荘までは3時間50分の長丁場! まずは樹林帯をゆっくりと登っていきます。
登っているとだんだんと視界が開けてきました。針ノ木岳やスバリ岳、赤沢岳などの山々が目の前に広がります。梅雨明けからの本格的な夏山シーズンに備えてなのでしょう。荷運びのヘリコプターが行ったり来たり。山間を縫うように飛ぶ姿を見つけて嬉しそう。
登山道には、「触ると良い匂いがする」というコメツガやオオシラビソといった針葉樹のほか、ダケカンバやハンノキ、シャクナゲなどのさまざまな植物が自生しています。
途中雨に降られながらも、ようやく種池山荘に到着! スイッチバックを繰り返しての最後の登りはなかなかキツめ。かわいらしい小屋の屋根が疲れを癒してくれました。
実は、今回の山行では爺ヶ岳を越えて、冷池山荘でテント泊、翌日に鹿島槍ヶ岳の登頂を狙っていたのですが、種池山荘の方も「明日は結構荒れそう」ということで断念…。山荘で天気予報を確認しつつ、プランを練り直すことに。
種池山荘でお昼ご飯を食べてから天気が持つのを期待して爺ヶ岳へ! 山荘の周辺は一面のお花畑でした。チングルマやキンポウゲ、コバイケイソウなどの高山植物が花盛り。ちょっと遅れてきた春を満喫できました。
そして本来の目的地だった鹿島槍ヶ岳と冷池山荘のテント場も…。稜線の上のテント場なので、天気が荒れると思いっきり風の影響を受けてしまうのだそう。ギリギリまで粘りましたが、夕方から夜半、明日にかけて雨の予報で断念…。
爺ヶ岳は中峰と北峰に挟まれた主峰の3つからなる山。写真中央の一番高くなっているところが山頂(2670m)です。ライチョウを探しながらの稜線歩きを満喫。
以前に鹿島槍ヶ岳を登った経験があるという山畑さん。「冷池山荘のテント場からの眺めは最高! 鹿島槍ヶ岳をバックに、爺ヶ岳から針ノ木岳への稜線、剱岳もドーンと構えていて。この先、鹿島槍ヶ岳を抜けて、五竜岳唐松岳の方に抜けていくルートも面白いですよ」。
針ノ木岳の方から雨雲がやってきたのでとりあえず撤収。種池山荘のテント場に戻ってきました。早朝からの山行の疲れを癒すべく、まずはビールで乾杯!
強くなってきた雨足から逃げるように歩いて数分のところのテント場へ。張っている最中に本降りになってしまいました。なんとか爺ヶ岳まで登れてよかったねと振り返りつつ、停滞です。このあと、種池山荘の方の好意で自炊室を貸してもらい夕飯をいただき就寝。雨だからこそできた、のんびり静かな山行もなかなか魅力的でした。
翌日は予報通りの雨。のんびり撤収して、またまた種池山荘の自炊室でゆっくりさせてもらい8時過ぎに下山開始。山で出会った登山客の方々も雨ならではゆったりとした時間を過ごしていたよう。
「別の小屋ですけれど、最近は予報が雨だと山行自体をキャンセルしちゃうのも多いって聞いたんです。たしかに晴れの方が景色もいいし楽だけど、雨だから感じられる山も魅力ってたくさんあるんですよね。土地柄、秩父の方にハイキングしにいくことが多いのですが、雨の森を歩くのは生命感いっぱいで気持ちいいですよ」。
今回のリュックは女性専用モデルの〈jaguar grace 55+10〉。女性の体に合わせてハーネス類やパッド、ヒップベルトなどを設計しているため、フィット感は抜群。しかもカリマー独自の背面調整システム〈SAシステム〉も搭載した機能満載のフラッグシップモデルです。雨の森で映える「A.Green」カラーも魅力。生地には、タフな使用にも耐える高機能素材「Silvaguard」ファブリックを使用。耐久性が高く、軽量なのも嬉しいポイントです。
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今回のおすすめアイテム
jaguar grace 55+10
[ jaguar grace 55+10 ]
長期の山行やエクスペディションで活躍するカリマーのフラッグシップモデルのウイメンズモデル。専用設計のバックシステムにより、多くの荷物を長期にわたり携行するようなハードなシーンであっても背面のフィット感や荷重の配置を即座に調整することが可能。細部にわたり女性の体型に合った設計を施すことで、これまでの大型リュックサックにはないフィッティングを実現しました。 ポイント- 女性向けに設計されたフィット感抜群のハーネス類
- 荷重をしっかりと伝え、安定感を高めるヒップベルト
- カリマー独自の背面調整機能〈SAバックシステム〉搭載