どこ行くの?Vol.8 岡田カーヤ(編集・ライター・音楽家)

自分らしく旅を愉しんでいる女性たちに、こだわりの持ち物を見せてもらおう!という連載。第8回目となる今回は、国内外を取材で飛び回り、雑誌をはじめとした多数のメディアで活躍している岡田カーヤさんです。編集・ライターのほか、バンドDouble Famousのサックス奏者、そしてポルトガルのソパ(スープ)とパンを広める料理ユニットの一員と、さまざまな面を持ち合わせています。そんな多彩な岡田さんに、旅のルーツと、旅を快適に過ごすための必須アイテムラインナップを伺いました。
※この記事は、旅と暮らしをつなぐ雑誌『BiRD』で連載中の拡大版です

photo NOZOMI KATO
text BiRD
岡田カーヤさん(編集・ライター・音楽家)


音楽が導いてくれた日本の外の国

「実は、海外に興味を持つようになったのは意外と遅いんです。大学時代は文化人類学を専攻していて、スリランカの専門の先生のゼミに所属していたんですが、正直当時は自分で旅することに、あまり興味はありませんでした(笑)」と、学生時代の生活を振り返ってくれた岡田さん。

BiRD_okada_2

それよりも夢中だったのは音楽。ジャズ研究会に所属して、とにかく毎日サックスの練習をしていたそうです。そんなときに偶然出会ったのが、インドネシア・バリのガムランという音楽。木琴や太鼓のような民族楽器を使って演奏する様子に、心が惹かれたと言います。
「単純に、これはかっこいい!と思いました。複数人が呼応しあうように演奏して音を組み立てていくのですが、深く知っていくうちに、この音楽の仕組みはバリの人々のあり方にも通ずるものがあると感じたんです。それで余計に興味が湧いて、どうしてもガムランがやりたくて……、いきなりバリのガムラン楽団を訪ねてみたら、住み込みでガムランの練習をさせてくれることになりました」
なんとも素晴らしい行動力。これが初めての海外一人旅だったそうです。岡田さんにとって音楽が、海外への道を開くきっかけのひとつとなりました。

BiRD_okada_3

 2001年の年末、スペインのフラメンコや生活を描いた『ベンゴ』という映画に影響を受けて、アンダルシア地方とマラケシュを旅した岡田さん。距離が近かったのでポルトガルにも足を伸ばしてみたところ、そこにあった石畳や年季が入った調理器具、そして音楽が身近にある生活の雰囲気がとても気に入ったそうです。すっかり魅せられて、その4年後には留学を決意します。
「友人のアドバイスで、サックスとフルートを持っていくことにしたんです。最初は演奏する機会なんて無かったんですが、あるライブを見に行ったことがきっかけでセッションに誘われるようになりました。“ポルトガル語を話してサックスを吹く日本人だ!”と面白がってもらえたのか、最終的にはいろんなバンドのライブで演奏するようになったんですよ。本当に音楽は国境を越えるんだと実感しましたね。楽しくて充実した留学生活でした」

BiRD_okada_4

今ではポルトガルは「特に好きな国」。毎年1~2回のペースで訪れているそうです。特にソパ(スープ)が大好きで、現在は「ポルトガルでのおいしいソパ(スープ)とパン」という料理ユニットを組んで、ポルトガル料理のおいしさを日本に伝えています。今年の1月にも相方・中林麻衣子さんと一緒にポルトガルへ行ってきたそうです。
「野菜たっぷりのどろっとしたソパが絶品なんです。これまでインスタグラムに自分が作ったソパをアップしているのですが、とても好評で。それで、みんなに味を楽しんでもらおうと作るようになりました」と笑顔。海外での経験を日本での日常生活にもつなげていく、というのが岡田さんのマイルールです。

BiRD_okada_5


発見のある旅がしたい

プライベートでの旅行に加え、ライターとしての仕事でも国内外さまざまな場所を飛び回っています。旅の持ち物を見せてもらうと、大小さまざまな複数のノートに、ふでばこ、パソコン、レコーダー……と、取材道具がずらり。そのほか、「欠かせない!」と取り出したのは、意外にもオーガニックの虫除けアイテムでした。オイルやハーブでできていて、肌に優しく、匂いも良いので、旅先でついつい買ってしまうのだとか。
最近は取材でハワイを訪れることが多く、仕事の隙をみつけては海へと飛び込むのが至福のとき。「自由時間があるか分からなくても、南国方面に行くのなら水着は必須。下着の代わりにも着られるし便利なので、何着も持っていきます」と教えてくれました。女子旅の参考にどうぞ。

BiRD_okada_6

予てからカリマーのバッグを使っているという岡田さん。愛用の黒のキャリーバッグはもう10年ほど前に購入したものだそうです。
「かなり丈夫で気に入っていてベルトの修理をしながら使っているんですよ。遠方で荷物が多いときは欠かせないですね。この新しいリュックサックも、カラーがとても素敵で気に入っています。機内に持ち込めるギリギリのサイズ、というのがポイントですね」

BiRD_okada_7

そんな旅の玄人に今後行ってみたい国を聞いてみると、「アイスランド」との答え。以前雑誌の取材で訪れた自然豊かで美しい場所に興味を持ち、もう一度じっくり見てみたいと考えているそうです。
「発見があるような旅が好きなので、気になったところに戻りたくなってしまうんです。だから旅行したポルトガルに長期留学したんでしょうね。本当は旅行ではなくて、異なる場所にゆっくり腰を据えて、文化を肌で感じられたら最高ですね!」


BiRD_mochimono_okada

旅の持ち物

布バッグ/取材時の資料をまとめたり、洗濯物をまとめたり。
水着/南国に行くときの必須アイテム。下着としても使用できるので3着は持っていく。
オーガニック虫除けアイテム/蚊に刺されやすい体質なので、肌に優しいものを。色々な国で購入。
マッサージグッズ/飛行機内でのツボ押し用。ロングフライトではお尻が凝るのでボールが活躍。
取材ノート/移動しながらの取材があるので、手におさまりやすいサイズなど大小さまざまな種類を。
インスタントコーヒー/ホテルで仕事をするときの癒し。
ふでばこ/普段は持ち歩かないが、遠方に行くときは必須。お気に入りは、折りたためるホチキス。

BiRD_osusume_okada

今回のおすすめアイテム

intrepid 40 typeⅠ

[ イントレピッド40 タイプ1 ]
日帰りにも宿泊にも使い勝手の良い、40ℓのリュックサック。生地には耐久性に優れ、耐摩耗性のある〈silvaguard〉ファブリックを使用しているので、たくさん荷物を入れても丈夫で安心だ。背負った時の快適性も重視し、背面には汗やムレを軽減する〈エアスペースシステム〉を採用。クッションのように心地よく背中にフィットするので、登山時や夏場の旅行で長時間身につけていても負担が少ない。

ポイント

  • 背負い心地の決め手となる背面長が女性におすすめの42㎝
  • 内蔵された特殊なプレートによるエアスペースと背負った時の抜群の安定感
  • 雨蓋を開けずにメインコンパートメントにアクセスできるフロントアクセスジップ

BiRD_okada

岡田カーヤ(おかだ・かーや)

フリーランスの編集者、ライター。バンドDouble Famousではサックスやフルート、アコーディオンなどを担当し、日本各地のステージに立っている。「ポルトガルのソパ(スープ)とパン」という料理ユニット組んでイベントなどにも参加。近年はランナーとしてランニングイベントなどにも積極的にエントリーしている。2005年からポルトガル・リスボン大学に留学していた。
http://www.monkeyw.com http://www.doublefamous.com

どこ行くの?

クリップボードにコピーしました
  • どこ行くの?

    どこ行くの?Vol.7 川上 薫(スタイリスト)

    2016.08.01

  • どこ行くの?

    どこ行くの?Vol.6 小松綾子(FUCHISOオーナー)

    2016.04.15

  • どこ行くの?

    どこ行くの?Vol.5 今津聡子(写真家)

    2015.09.10

  • どこ行くの?

    どこ行くの?Vol.4 三原寛子(料理研究家)

    2015.06.30

  • どこ行くの?

    どこ行くの? Vol.3 塩川いづみ

    2015.05.28

  • どこ行くの?

    どこ行くの?Vol.2 安彦幸枝(写真家)

    2015.04.17

  • どこ行くの?

    どこ行くの? Vol.1 しみずまゆこさん(木工アーティスト)

    2015.03.01