自分らしく旅を愉しんでいる女性たちに、こだわりの持ち物を見せてもらおう!という連載。第7回目は、撮影の仕事で国内外を飛びまわるスタイリストの川上 薫さん。仕事によっては異国の地に降り立ってから、現地の魅力的な人をその場でハントして撮影していくことも多いんだとか。その土地の素敵なヒト・モノを瞬時にキャッチして旅をする川上さんに、旅の荷物について聞きました。
※この記事は、旅と暮らしをつなぐ雑誌『BiRD』で連載中の拡大版です
photo MAI HOKARI
text BiRD
川上 薫さん(スタイリスト)
撮影でかけ巡る異国の地
「去年はありがたいことに、仕事で海外に行く機会をたくさんいただきました。ベルリン、トルコ、ポートランド……。今年に入ってからは、ハワイに弾丸で行きました」そうやってカラリと笑う川上さん。ハードスケジュールのなか、慣れない土地でも撮影の旅を楽しんでいる様子が伝わってくる。
服に携わる仕事ゆえ、そうした旅先で出会う人々の服装を見るのもまた、旅の楽しみのひとつだという。
「現地の人を見ているのが好きなんですよね。海外に出ると自分の好きなものを着ている人が多くて、服にその人の生き様が出るというか、服を見るだけでもその人の好きなものが見えてきて楽しい」
一番最近訪れたのは、オーストラリアのシドニー。あるデニムブランドの企画で、4人のスタイリストが「これからのデニムのスタンダードを考える」というテーマをもとに、それぞれが思うデニムスタイルを撮影していく仕事だった。川上さんも4人のうちの1人として参加。コーディネートはもちろん、スタッフ、ロケ場所、モデルもディレクションしてそのシューティングに臨んだそう。
「フォトグラファーとも相談しながら、ライブ感を大事にして撮影を組み立てていくのはとても楽しかった。自分で写真を撮るのも好きなので、ハーフサイズのフィルムで撮れるサムライを旅先も持っていくことも。古い機種なんですが、ホームビデオっぽく片手で気軽に撮っていく感じもいいんですよね」
仕事を支える旅道具たち
撮影で海外へいくときは、撮影用の衣装、アイロン、裁縫道具など、どうしても仕事道具で荷物がいっぱいに。そのため、自分の旅の荷物はかなり厳選するという川上さん。そのなかでも欠かさずに旅へ持っていくものを教えてもらった。
「機内用枕は絶対に持っていきますね。飛行機の中では、足元はTevaのサンダル&ソックスで楽チンに。旅の前後は忙しくなるので、機内では完全に睡眠モード。着陸した瞬間にパッと目が覚めますね(笑)」
また、毎日が撮影日でスケジュールも詰め込むことになるので、体調管理も気が抜けないという。
「現地の宿に着いてみないと体感温度はわからないので、南国に行くときにも必ずスウェットを一枚もっていきますね。このミッキーのスウェットは古着のもの。古着は昔から好きで、旅先でもヴィンテージショップ、アーミーショップ、スリフト(慈善事業で寄付されたヴィンテージものを扱う小売店)は常に気になって立ち寄ってしまいますね」
川上さんの旅の荷物を解いていくと、アウトドアものが多いことに気がつく。
「山に登るタイプかというとそういうわけではないのですが、気づけば集まっていましたね。山の道具って、無駄がないうえに機能的。日常生活でも旅先でも役に立つ。工業製品っぽい男らしいクールな見た目も好みなんですよね。いつも旅先のホテルで履いているNORDISKのダウンシューズもデンマーク生まれのテントメーカーのもの。悪天候用の上着も古着屋で買った山系ブランドのウィンドブレーカー。完全防水の袋もNYの老舗アウトドアショップ・TENT&TRAILSで購入したもの。旅先でもアウトドアショップとかホームセンターってよく覗いちゃうんです」
そんな彼女が旅で愛用しているのが、カリマーのバックパック「flyer 50-65」。
「バックパック一つ背負って旅に出たい、そう思ったときに選んだのがカリマーのこのリュックでした。普段からリュックはよく使っているですが、旅先ではカリマーくらい丈夫なものだと、どんな場所へ行くにもガシガシ使えて安心ですよね。ポケットも多くて機能性も高いから使い勝手もいいですし。65Lも入るのに、背負うと軽く感じるんですよ。次に旅したいところ? そうですね、アイスランドかな。『BiRD』でもアイスランド特集していましたよね。音楽がすごい好きなので、クラブシーンをめぐりたい。シガーロス、ビョークとか。彼らを生んだ土地をこの目で見てみたいですね」
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旅の持ち物
黒ウィンドブレーカー/古着屋で購入。悪天候でも安心で旅にはもってこい
黄色トートバッグ/NYのチェルシーにあるアートブックが豊富に揃う本屋「プリンテッド・マター」のもの
機内用枕/NYで買ったビーズタイプのピローは必携。機内持ち込み用のリュックに括りつけて持ち歩く
カメラ/京セラのサムライを愛用中。通常の35mmフイルム1コマに2コマ分撮影できるハーフサイズのカメラ。通常のフィルムで倍撮れるので、フィルム替えも少なくて旅にも好都合
白サンダル/Tevaのサンダルも旅には外せない。機内、ホテル、現地での街歩きでも、どんな場所もリラックスムードに
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今回のおすすめアイテム
[ フライヤー50-65 ]
65Lの荷物が入る大容量バックパック。カリマー独自の背面調整機能〈SAシステム〉があるので、荷物が多くても体にしっかりフィットして身軽に動ける。大きな荷物を背負ったまま、携帯電話、地図をすぐに取り出せるようなサイドポケットも。1週間以内のショートトリップはもちろん、キャンプやテント泊をしながら登山するときなど、移動しながらの旅にも心強い。ポイント
- 雨蓋内、バッグ脇、腰位置などにポケットがあり収納場所が充実
- 南京錠でロック可能なロッカブルジッパー採用。セキュリティ対策しやすい
- ピッケル&トレッキングポールを装着できるポールキャリア付きで、山用品も持ち運びしやすい
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川上 薫(かわかみ・かおり)
1981年、東京都生まれ。竹淵智子氏に師事。『&プレミアム』『装苑』『BiRD』などの雑誌をはじめ、広告、CMなど、幅広いフィールドでスタイリストとして活躍。男女問わず、ジェンダーレスなスタイリングを得意とする。
http://kaorikawakami.com