世界中を旅するTRANSITが、karrimorのアイテムとともに旅した裏話を公開。今回はハビタットシリーズ トラベルサック〈Silver〉とともに、バルト三国の最北端エストニアへ。首都タリンから、第二の都市タルトゥ、片田舎のヴォルへと南下していった6日間の旅。

伝統と革新のエストニア。
オレンジ屋根の建物、端麗な教会、それらをぐるっと囲む城壁。エストニアの首都・タリンの旧市街は、その歴史的価値から世界遺産に登録されている。数世紀も姿が変わらない街並みとは裏腹に、エストニアは近年「IT先進国」として世界から注目されている。でこぼこした石畳につまずきそうになりながら「いったいどのあたりが⁉︎」と疑問が湧いてくる。

生活を支えるIT。
中心街から車で10分ほど、政府機関のEstonia Briefing Centerへ向かう。1991年にソ連から独立を果たしてから、いちはやく国策にITを組み込んだエストニア。行政手続きの99%が電子化され、国民生活はとても便利に。国としての若さを武器に、小さな国が急速に未来を変えていた。

若者が集まるエリア。
旧市街からトラムに乗って一駅、テリスキヴィという地域に向かった。ソ連時代には鉄道会社の倉庫や工場だったというこの一帯。無骨で広々とした空間が活かされ、若い人が集まるエリアに生まれ変わった。スタートアップのオフィス、レストラン、雑貨屋などが並ぶ。エストニア産のクラフトビールが充実しているリカーショップ「SIP」で数本お酒を買い込む。

新しい建築のかたち。
タリン港近くで、真四角の建物がたくさん並ぶ一帯を発見。この建物はエストニア人の建築家が設計したKODAという移動可能なミニマルハウスらしい。ヘアサロンやオフィスなどそれぞれに異なる使われ方をしている。森のなかに設置して住居にしたら、気持ち良さそうだ。

エストニアのデザイン。
現地に住む友人から「今、エストニアのデザインがおもしろい」と聞き、モールに入っているEstonian Design Houseへ。目玉焼きが貼りついたようなデザインの皿、指先に小さな穴が空いたフェルトのルームシューズ、廃棄予定の布で作った服……コンセプトが明快でちょっとユーモアのあるデザインが多かった。エストニアのデザイナーたちは、ロシアでも北欧でもないデザインを模索しているらしい。

ローカル推しの食。
旧市街をたくさん歩いて、お腹はペコペコ。ホテルの一階に入っている、洗練されながらもアットホームな雰囲気のレストランSöeへ。シェフが食材の産地を丁寧に説明してくれる。ほとんどの食材が国内産で、さらには収穫された町の名前まで把握されている。野菜の炭をまぶした(!)という一口大のコロッケが、香ばしくて美味しかった。

エストニアの真の首都。
2時間半ほど電車に乗って、エストニアの学問都市であるタルトゥへ移動。“エストニアの精神的首都”といわれているこの街には、400年の歴史をもつ名門タルトゥ大学がある。学生たちが街のシェアバイクに乗って行き交う。タルトゥは日本でいう京都のような立ち位置だろうか?

見ごたえたっぷりの国立博物館。
タルトゥには、エストニア国立博物館がある。日本人建築家の田根剛が26歳の頃に設計し、10年の月日を経て2016年にオープン。ソ連の軍事滑走路の跡地につくられた。エストニア人の歩んできた道のり、そして未来がぎゅっと詰まった展示は、丸1日あっても足りないくらいだ。

森のなかで、自然の音を聴く。
さらに南へ下って、ヴォルという小さな田舎町へ。森のなかに突如現れたのは、アート作品の「forest library」。「森の音を聴いてほしい」とエストニア芸術アカデミーの生徒が制作した。穴に耳を近づけると、風が木々を揺らす音、ウッドペッカーの声が聞こえてくる。

南に行くなら、サウナ。
スモークサウナの聖地でもあるヴォルの町。エストニアのスモークサウナは、2014年にユネスコ無形文化遺産に登録された。冬は氷点下のエストニアでは、サウナは命綱であり、昔から受け継いできた大切な文化のひとつ。サウナで神秘的な儀式を受け、身も心も清められた気がする。

健やかな人がつくる料理。
サウナに入った後は、オーガニックチョコレート工場のRoosikuで、特別なビーガンディナーをいただく。「自分が食べるものが地球にどう影響するかを考えたとき、やるべきことがわかった」とオーナーのアルヴォさん。健やかな人がつくる優しい料理が、全身に染み渡っていった。

karrimor と バルト三国を旅して
TRANSIT 編集部
2020年3月発売のTRANSIT47号ではバルト三国(エストニア/ラトビア/リトアニア)を特集。三国はロシア(旧ソ連)から独立してもうすぐ30年。困難の歴史を乗り越え、それぞれ発展を遂げています。冬の厳しい寒さに耐え、サウナと歌を愛し、そして自然とともに豊かに生きる。穏やかな国民性でありつつも、ここぞという時には立ち上がり、独立後は意志をもって自分たちの生活を作り上げてきました。光を探して前向きに生きる、そんな姿が美しいバルトの人びとにTRANSITが出会いました。

今回のおすすめアイテム
habitat series travel sack
ハビタットシリーズ トラベルサック
karrimor とTRANSIT 編集部がつくった、旅する人のためのシリーズ「habitat series(ハビタットシリーズ)」。新登場のトラベルサックは、すっきりとしたデザインと充実したオーガナイザーが特徴。サングラスやメガネをそのまま入れても傷がつかないグラスポケット、ペットボトルも収納可能なワンドポケットやフロントポケット付き。何かと必要な物が多い旅も、スタイリッシュに。PCホルダーも付いており、旅にもデイリーユースにもぴったり。
ポイント
●耐摩耗性に優れた〈slivaguard +〉を使用。
●グラスポケットやワンドポケット、PCホルダーなどオーガナイザーが充実。
●シンプル、スタイリッシュな見た目で、デイリーユース、旅にも最適。

掲載号
TRANSIT47号 バルトの光を探して
2020年3月13日発売
価格:1800円(+税)