今回は信州のおすすめの山をご紹介します。今の状況が落ち着いたらぜひ登りに来てください!

最近はステイホームが続き、家で過去の山の写真を眺めていると、「やっぱり信州の山はいいなぁ」と改めて思います。その中でも我がふるさと安曇野のシンボルである常念岳は、私の中では一番と言っていいでしょう。今回はその常念岳についてご紹介します。

常念岳は飛騨山脈(北アルプス)南部、常念山脈にある標高2,857mの山です。正確には長野県の松本市と安曇野市にまたがっています。

南には蝶ヶ岳、北には大天井岳、そこから稜線を西に進めば槍ヶ岳まで登山道が続いています。燕岳から続くこの稜線は表銀座と呼ばれ、夏山の人気縦走路です。

常念だけを目指すには、一の沢という大きな沢を詰めていき、常念小屋を経由して山頂まで登る「一の沢ルート」があります。

このルートは常念岳を登る大半の人が選ぶメジャーなルートなのですが、登山道は基本沢沿いでとにかく気持ちがいいです。さらに視界が開けているので眺めは最高です。天気が良ければ、途中にある富士見ベンチから富士山を眺めることも出来るでしょう。

最初の方は比較的緩やかな登山道ですが、胸突き八丁と言われる所で急に様子が変わります。その名の通り胸が地面につくぐらいの急な階段です(これは冗談ですが)。それでもかなり急な斜面ですし、片側は切れ落ちているので、慣れていないとちょっとスリリングに感じるかもしれません。

急峻な登山道はしばらく続き、景色もあまり見えないため、ここが一番辛いところです。しかしいきなり景色は開け稜線へと出ます。常念小屋が見えてきたと思ったらその後ろにどぉーんと槍ヶ岳が現れます。疲れた体が一気に癒される瞬間です。

多くの人はこの常念小屋で一泊し翌朝山頂を目指します。体力のある人はそのまま山頂に登り、ピストンで下山する人もいます。しかし夕方、槍穂高連峰を見ながらゆったり呑むビールは最高に美味しいので、時間があったら一泊することをおすすめします。

さて常念岳に登るもう一方のルートは三俣ルートと呼ばれています。一の沢ルートとは真逆で、うっそうとした薄暗い尾根道をひたすら登っていきます。あまり人気のないルートなので静かな登山道が好きな人にはおすすめです。私は別ルートが雪崩で危険な冬にこそよく通りますが、それ以外はあまり使わないルートですので夏山の写真がありません。

スタートは三俣という所ですが、ここは常念岳の登山口であると共に蝶ヶ岳という山の登山口でもあります。蝶ヶ岳から常念岳は稜線が繋がっていて、三俣をベースに周回することもできます。

三俣ルートは基本うっそうとした登山道と言いましたが、森林限界を越えれば視界が開けてきます。個人的にその瞬間がこのルートの一番の見所だと思っています。西には穂高連峰、東には安曇野の風景が見え、時折下から吹き上げる風が、今まで森の中を歩いていた分とても気持ちよく感じられます。

ここからは先程までとは打って変わって荒々しい岩場を登っていきます。写真は雪が積もっていて分かりずらいですが、雪がないと山頂まで岩稜が続きます。

夏は岩稜地帯でテクニカルな部分が多いのですが、冬は雪が積もって地面が均されるので奇麗な稜線になり比較的登りやすいです。

ただ冬は稜線に雪庇ができるので踏み抜かないように注意しなければなりません。稜線を歩くときは、あまり谷すれすれを歩かないようにしましょう。

三俣ルートも山頂へ行くためには一度一の沢側に回り込まないといけません。どちらのルートも最終的には同じところを登って山頂まで行きます。山頂に着けば祠があり、バックの穂高連峰を入れて撮るのがおすすめ。ただ山頂は非常に狭いのであまり長居はできません。

以上二つのルートを紹介してみましたが、どのルートを選んでもそれぞれの良さがありますので楽しめると思います。常念岳は見た目の美しさもさることながら、内容も素晴らしいです。普通の生活に戻ったらぜひ登りに来て下さい。