国際山岳ガイドの今井晋です。今回は、南フランス・マルセイユ近郊のカランク国立公園へのクライミングトリップについて紹介させていただきます。飛行機でマルセイユ国際空港へのフライト、もしくは主要な都市からTGV(新幹線のような特急)で町の中心に位置するマルセイユ駅へ向かうことができます。

マルセイユは、地中海に面した温暖な気候に恵まれた港町です。夏に滞在するシャモニーなどの山岳リゾートとは違って、マルシェ(市場)には、豊富な種類の魚介類をみることができました。今回は、ホテルでの滞在だったので料理することはできませんでしたが、カラマリというイカのから揚げ料理は非常においしかったです。


市街地の道路や歩道は非常に狭く、道産子的には渋滞ばかり。バス専用の道路が区画されているので、移動はバスや地下鉄が便利に感じます。驚くべきは、路駐天国。それも前後の車にぶつけないと発進できないような超至近接駐車。そのせいか日本でいう小型車が多かった印象です。マルセイユっ子たちは、電動スクートや電動自転車をシェアしながら、移動していました。ヨーロッパの建物には彫刻が施されていて、歴史の趣きを感じます。歩いているだけでも新鮮です。


カランク国立公園は、広大なのでレンタカーが便利。レンタカー会社はマルセイユ駅にも併設されています。今まで世界各国で車の運転をしてきましたが、マルセイユでの運転は、かなりの高難度でした。



ここはリアス式海岸のような入り江と海からそそり立つ石灰岩、そして、透き通った海と空がおりなす国立公園です。夏は非常に熱く、ヨーロッパ各地から海水浴目当てに人が集まるリゾートです。クライミング適期は、9月後半から冬です


初級者から上級者が楽しめる迫力のあるマルチピッチからハードなショートルートまで揃っているので、どのレベルのクライマーでも楽しめます。日本を代表するクライマーの平山ユージ氏も、若かりし頃にマルセイユを拠点にされていたことがあったようですね。
他にもハイキングやマウンテンバイクのルートも整備がいきとどいているので、幅広いジャンルで楽しめるようです。何より、味も見た目もおいしい料理は最高です。


滞在中は、近くのアルルという村で行われていたお米の感謝祭(闘牛)に行ってきました。世界遺産のコロッセアムで行われた感謝祭としての闘牛。実際に見てみると、今まで思っていた闘牛に対するイメージが払拭され、ここでも人々の生活と歴史を感じられた貴重な経験でした。


そして、あっという間に最終日。フライトの関係でパリを訪れました。ルーブル美術館にエッフェル塔などパリのことはみなさんのほうがよく知っていると思うので割愛。宿泊したパリ北駅前の絶好の立地にある3つ星ホテルにあったエレベーターは、私の人生で一番小さいものでした。そして「カスタム寿司」の看板。意味不明のJSJK。最後まで楽しませてくれた今回の旅、いつものことながら最高でした。

