2022年7月、カナダディアンロッキーの氷河におおわれた山を登りにお客様と行ってきました。カナダは欧州と同じように既に国境を開放していて、2回以上のワクチン接種証明書・ETA(電子渡航認証)とArriveCANADAという事前申請で誰でも入国可能です。
※各国の入国情報は日々アップデートされていますので最新の情報をご確認ください。

ロッキーの入り口となる空港はカルガリー国際空港。日本からは、バンクーバー経由で到着することが多いようです。カルガリーは、アルバータ州第二の都市ですが、実質的には一番大きいようですし、整備された公園を始め、とてもきれいな街でした。ここから車に荷物を詰め込んで北西へ約2時間、バンフ国立公園の入り口となるキャンモアという街を通り、バンフに到着です。


時差があるので、まずは体調を整えるためにカナディアンロッキーの代名詞のようなレイクルイーズのハイキングに向かいました。ご存じの方も多いと思いますが、エメラルドグリーンの美しい湖と奥に広がる氷河と山々、そして湖畔にある豪華ホテルがとても印象的なエリアです。

ここは世界有数の観光地なので、ハイキングルートは無数にあり、標識や道の整備も行き届いているので、しっかりとハイキング装備を持っているハイカーから、手ぶらでサンダルを履いた方までいろいろな方が歩いています。カナダは湖や池も多く、とても水が綺麗で豊富なので、その分虫も多くいます。刺されやすい方は虫よけ対策が必要です(結構刺されて痒かった~!)。

体調は整ったのですが、そう簡単に時差を埋めることはできません。カナダ国内でも時差があるほど広いので当てはまらないかもしれませんが、ロッキーでは、日本時間2時くらいに目が冴えわたることが多いです。いつも山への出発を2時半頃にして、時差を逆利用していきました。

どこの山でも、雪が固いうちに行動する方が、同じ山や距離を歩くにしても体力を必要としませんし、スピーディーで安全です。懸垂氷河等の急斜面に雪がついているので、気温上昇によって引き起こされる大きな雪崩や落石は、この時期であっても危険要素のひとつ。山に合わせて行動していると、自然と美しいもモルゲンロードに染まった山々を見ることができます。

他の危険要素としては、熊との遭遇があげられます。ロッキーにはグリズリーもいるので、活発に動く夜の時間帯は特に注意が必要です。熊除けスプレーも必携ですね。
またカナダの国立公園には厳格なルールがあり、特別な許可がないと山をガイドすることができません。今回はその許可を持っているカナダ山岳ガイド協会のラリーさんと一緒のガイディングでした。

満点の星空のなかスタートした我々は、順調にアプローチをこなし、氷河の末端に着くことができました。朝食をとり、氷河歩きの装備を整え、氷のセクションに入っていきます。前夜の放射冷却のおかげで雪面は固く歩きやすかったですし、視界がよかったおかげで遠くのクレパスまで見渡すことができたので、うまくルートファインディングできて助かりました。


今夏は天気が良く雪解けは早かったようで、急斜面は氷が出てきていました。陽が当たると、あっという間に雪は腐って(雪解けて歩きにくくなること)しまうので、氷が出ていた方が歩きやすかったです。ようやくたどり着いた山頂からは360度の大展望、約7時間の登りでしたが、ここまで来ないと見れない絶景だったので、お客様も大満足。それにしてもよく頑張りました


例年7月最後の週から8月の1週目は、ロッキーのプライムタイムらしく、今年も毎日好天が続きました。おかげでバンフ近郊のサンシャインメドーのハイキングコースでは、アシニボインという名峰を中心とした大展望と広大なアルパインメドー、ジャスパー近郊のエディス・キャベル山を見ながら歩くハイキングルートでは氷河湖・一面に広がるお花畑・エンジェル氷河など見どころが多く、毎日感動していました。


また目標であったアサバスカ・マウンテンは、ロッキーの観光名所のコロンビアアイスフィールドのすぐ横にみえる氷河におおわれた有名な山です。駐車場からよく見えるので、簡単に登れてしまいそうですが、ヒドンクレパス(雪が覆っていてクレパスの有無が分からない)や懸垂氷河の下部のトラバースなど非常に気を使いました。シルバーホルンから山頂へと続くラストの雪の稜線は非常に美しく、快適に山頂へと立つことができました。


ヨーロッパもそうですが、カナダも紫外線の強さが桁違い。日焼け止めやサングラスはもちろん、フード付きの薄手の長袖シャツなど腕と首筋をカバーするシャツが必携です。今回は愛用するboulderPDシャツの上に 通気性・軽量・快適性に優れたwind shell hoodieを常に着用していました。乾燥している気候なので、肌にくっつくこともなく、ある程度のゆとりから通気性もよく、白っぽいデジタルミントというカラーもよかったです。おかげさまで強烈な紫外線から守ってくれました。多少暑くても「首筋や腕を紫外線から守る」ということが優先されています。隠れた名品としてお勧めするのが、technical softshell gloveです。操作性や脱着感、そしてなかなかの耐久性!雨の日なんかも冷たくならないのです。


ロッキーに滞在しようと思っている方へのアドバイスとしては、バンフ・ジャスパーは世界中から観光客が同時期に集中しますが、ホテル等の宿泊施設が絶対的に少ない状態のようです。日程が決まり次第になるべく早く予約をいれることをお勧めします。山に登らなくても素晴らしい体験ができるので、karrimor製品とともに、ぜひ訪れてみてください。


来年の7月中旬頃に、アシニボイン・アサバスカマウンテン&エディス・キャベルマウンテンのスリービックマウンテンツアーを企画しています。トレッキングのみのツアーも企画していますので、ぜひお問い合わせください。ラリーさんと共にお待ちしています!
