今回ご紹介するのは“ロフォーテン諸島”です。日本から遥か遠く、北欧の国ノルウェーにあって手付かずの大自然がそのまま残る世にも美しい場所です。私たちはそんなロフォーテン諸島を夏真っ盛りの7月に訪れ、ロッククライミングトリップを満喫してきました。

日本を出て大陸に行けば、氷河による巨大な彫刻作品をたくさん目にします。しかし、ここノルウェーの“海岸線がえぐられて出来たフィヨルド”は格別。まさに芸術の極みです。

海から直接そそり立つ花崗岩の断崖絶壁。コバルトブルーと白のコントラスト。そのあまりの美しさに心を奪われます。

そんなフィヨルドの美しい景色を満喫しながら楽しむ巨大な花崗岩のマルチピッチクライミング! まるで空を飛んでいるかのような贅沢な時間です。グレードも易しめから色々とあって、ヨーロッパ各地から多くのクライミング愛好家が集います。

ノルウェーのロッククライミングトリップは、クライマーなら誰もが行きたくなるような魅力がほかにもたくさんあります。まず、北欧の国々の古くからの慣習で法律でも明文化されている“自然享受権”というものがあります。

これは平たく言うと「自然はみんなのもの。だからみんな自由に楽しむ権利があるよ!」というものです。さらに平たく言うと、つまり「どこでも野宿オッケー!」ということです!

明らかな私有地に立ち入らなければ、基本的にどこでもキャンプし放題。キャンプ代はもちろんタダです。毎日クライミングをして、疲れたら好きな場所で寝る。キャンプ大好きな人にとってもこの環境はまさにパラダイスでしょう。

クライミングに疲れたら、ある日は海水浴を楽しむ。

スーパーで買い出しをして、また好きな場所で宴会です。それでも、国内外からの観光客のマナーがよく、自律的にこの美しい自然が保たれているようです。

とにかく美しい自然で人気の場所なので、クライミングのレスト日には名所観光なんてことも。写真は、「アナと雪の女王」の舞台になったともいわれる、ノルウェーで最も美しい村「Reine村」です。

そしてもうひとつ嬉しいのが、「夜が来ない」ことです。

ノルウェーの夏は、太陽が沈まない白夜。写真は不思議な白夜の夕焼けです。(7〜8月になると)正確には太陽は沈むのですが、沈んでも明るいままなのです。そのためいつ起きてもいつ寝ても自由。そのうち朝と夜の概念もわからなくなってきます。いつまででも時間を気にすることなくクライミングを続けられてしまうので、毎日寝不足でした(笑)。

北極圏にほど近いノルウェーですが、暖流のおかげで不凍港があり、日本のように漁業大国なのだそうです。ロフォーテンはとくにタラの漁獲量が多いらしく、いたるところに巨大なタラが干してありました。

まだまだ語りつくせない魅力いっぱいのロフォーテン諸島。こちらでは夏の様子をご紹介しましたが、アンバサダーの今井晋さんは記事の中で3月のスキーの様子をご紹介されていました。そちらもぜひチェックしてみてくださいね!