日中の陽ざしが未だ未だ暑い9月中旬。北アルプスの西南の端に聳え、どこからみても均整の取れた姿が印象的な笠ヶ岳に登って来ました。

急登で有名な山頂への最短コース・笠新道。健脚な登山者に抜かれても焦ることなく、ペースを保って仲間と楽しく登頂することが今日の目標。木立の間を吹き抜ける涼風と背後に次々と現れる穂高連峰に励まされながら、ひたすら前進しました。

青空と目の前の壁を仰ぎ見ながら杓子平まで登りきると景色が一変! 前方に聳える笠ヶ岳とヨーロッパアルプスのようにメルヘンな杓子平カールのスケールは圧巻です。

巨岩が点在する壮大なスケールのカールへ下り、稜線に向かって登り返す風景は本当に美しいですね。

稜線分岐から見た笠ヶ岳は一際存在感を増し、更なる高揚感に包まれました。

北アルプスの絶景と微風に癒されながら、前方に聳える山頂へ。暑さと疲労で重くなった足取りには辛いところですが、ここからのアップダウンこそが今回の核心です。

テントの数もまばらな13時過ぎ、岩の積み重なった斜面を登り山小屋に到着。さっそく喉と心に染みわたる冷たい牛乳を飲み干し、サコッシュひとつで山頂アタック。

暖かな陽ざしと躍動感あふれる雲の間から見え隠れするアルプスの名峰には、しばし言葉を失ってしまいました。

素敵な余韻に浸った山頂から山小屋に戻ってくると、こちらに向かって登って来る登山者や売店に並ぶ行列で、かなり賑わっていました。貴重な晴天の週末だからでしょうか、最終的には、廊下や食堂にまで布団を敷くほどの満室状態でした。

「体力をつけてからでないと容易には登らせてもらえない」、そんなイメージがある名峰ですが、安定した天候に恵まれたおかげで、またいつか登りたい山のひとつとして、皆の中に好印象が刻まれました。